バリアフリーを鵜呑みにせず自分で賃貸物件を確認する

賃貸物件は、効率に良い間取りを如何にコンパクトにまとめて建築費用を抑えるかが不動産投資の要でした。現在では、急激に少子高齢化が進み高齢者や身体障害者に優しいバリアフリー設計の賃貸物件が増え、各仲介業者が特集を組むほど需要が高まっているのが現状です。しかし、床の段差を減らしたり、手摺りを設置するなど小手先のものばかりで高齢者や身体障害者が実際に住むには難しい物件ばかりです。代表的な例としては、トイレの幅が3尺を切っているだけでなく手すりが一切設置されていなかったり、浴室に健常者用のユニットバスが入っているだけでなく手摺りが一つもついていないなど水回りまで手が回っていないのが現実です。

望ましいバリアフリーの賃貸物件は、駐車場やエントランスから玄関まで一切の段差がなく、エレベーターには乗降口正面に鏡が設置されています。玄関は、上がり框に相当する部分の段差がほぼなく、居室に至る廊下幅が100cm以上確保されている事です。家屋内の扉は、車椅子が通り抜けられる袖扉付きの扉や開口部が大きく確保できる引き戸が好ましく、介護のことを考慮するならばトイレや洗面所の扉も引き戸が望ましいと言えます。見逃しやすい場所は、ベランダに出る掃き出し窓付近の段差です。

ベランダへの出入り口は、水捌けやペアサッシの設置の関係で従来よりも段差が大きくなっており、借りる前にどの様な方法で段差を解消するか考える必要があります。身体物件を借りる際には、バリアフリーと言う言葉を鵜呑みにせずに、自分の目でしっかりと確かめる必要があります。

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